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【管理栄養士監修】蒸し暑い夏!脱水症状にならないためには?

2021/06/25

ジメジメした蒸し暑い夏が本格的になってきましたね。

 

コロナ禍でマスクをつけていることもあり特に気をつけていただきたいのが、脱水症状。脱水症状の怖いところは、健康な方でも、家でじっとしていても、気付かない間に体内の水分が失われて脱水状態になるところです。

 

ひどい場合には気付いた時には熱中症になっていて「バタンっ・・・」と倒れてしまう可能性もあることです。「喉が渇いた。」と思った時にはもうすでに遅く、私たちの最小単位である細胞はカラッカラの砂漠状態なのです。

 

ではどうすれば脱水症状を回避できるのでしょうか。管理栄養士が説明していきます。

 

【脱水とは?】

 
 

脱水とは字の如く、体内から水が出ていくという意味です。

 

ヒトの身体の約60%は水からできています。例えば体重50kgの成人女性の場合、約30kg分が水分です。水分の5%を失うと脱水症状がおき、10%を失うと筋肉の痙攣などが現れ、20%を失うと死に至るとも言われているくらい水分はヒトにとって重要です。※1

 

健康な身体の場合、水分は毎日の摂取量と排泄量が均衡に保たれており、1日に2.5Lの水が必要と言われています。もう少し詳しくお話しすると、1日の水分摂取量が合計2.5L(食事(1日3食で栄養バランスの良い食事)由来1.0L、体内生成由来0.3L、飲水由来1.2L)で、1日の水分排出量が合計2.5L(尿・便由来1.6L、呼吸・汗由来0.9L)です。

 

必要な水分は毎日の水分排出量を上回る量なので、よく1日1.5L~2Lを飲みましょうと言われているのはそのためです。※1また夏の暑い時期は汗の量が多くなったり、マスク装着により呼吸数が上がるとも言われているので、その分飲水量を増やす必要があります。※こちらで明記している数値はあくまでも参考値ですので個人差があります。

 

私たちヒトの管理下にあるのは飲水量と食事量なので、この2つをしっかりすることが大切です。もちろん水分の他にも、十分な睡眠や、暑さを避けること、急激な気温上昇、暑さに備えた体づくりなども必要ですので、適宜対策をとってくださいね。こちらでは飲水と食事について詳しくお話ししていきます。

 

【飲水と食事について】

 
 

脱水症状や熱中症にならないためには日頃からどうすれば良いのでしょうか。飲水と食事で気をつけていただきたいことをお伝えしていきます。

 

<飲水>

●こまめな水分補給

水分は水だけではなく塩分や、糖分、ビタミンB群補給も必須です。

塩分は0.1~0.2%程度の食塩水(1Lの水に1~2gの食塩、ナトリウム量は100mlあたり40~80ml)が推奨されています。※2 糖分とビタミンB群はエネルギーを生み出すために必要です。※3

 

糖分はスポーツドリンクや経口補水液で補給し、ビタミンB群は食事から摂ることをお勧めします。スポーツドリンクや経口補水液だけを飲んでいると糖尿病になった事例もあるので、飲み過ぎないことと、しっかりとビタミンB群補給も行ってくださいね。

 

<食事>

●栄養バランスの良い食事

食事をすることはヒトが生きるために必要な5大栄養素(糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル)を摂るために必要です。私が提案させていただいているのが、栄養のことを知らなくても5大栄養素がきちんと摂れる一汁三菜の組み合わせです。

 

一汁三菜は主食、主菜、副菜2品、汁物の組み合わせで、例えば白ごはん、サバの味噌煮、ひじきの煮物、ほうれん草のお浸し、豆腐とわかめのお味噌汁という定番の和食で考えてみましょう。

 

白ごはんからは糖質、サバの味噌煮からはタンパク質・脂質、ひじきの煮物とほうれん草のお浸しからはビタミン・ミネラル、豆腐とわかめのお味噌汁からはタンパク質・ミネラル・塩分が摂れます。5大栄養素がしっかり摂れていますね。

 

<ビタミンB群の補給>

糖質の代謝に関わるビタミンB群は、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンです。※3,4 それぞれの栄養素が多く含まれている食材を一部ご紹介しますので、ぜひお食事に取り入れてください。

 

●ビタミンB1

 豚ひれ肉、豚バラ肉、豚ロース肉(脂身つき)、うなぎなど

 

●ビタミンB2

 豚レバー、牛レバー、砂肝、牛乳など

 

●ナイアシン

 たらこ、エリンギ、ささみ、しめじなど

 

【あなたは隠れ脱水?!】

 
※画像引用元:https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzenproject/concour/2015/sakuhin5/n006.html 
 

脱水症状になりそうな状態を隠れ脱水と言います。実は自分の身体が隠れ脱水状態かどうかを簡単にチェックできる方法があります。それは「尿の色を確認する」という方法です。

 

画像は厚生労働省が指標として出されている尿の色チャートですが、それぞれの色を解説します。ぜひ皆さまの脱水症状予防にご利用ください!※5 

 

(画像の上の色から①②…としています。)

 

問題ありません。引き続き毎日1.5~2Lを目安に水分を取りましょう。
 
問題ありませんが、少し濃い色です。コップ1杯分(250ml)の水分を取りましょう。
 
かなり濃い色です。1時間以内にコップ1杯分(250ml)の水分を取りましょう。もし屋外にいたり、汗をかいていたらコップ2杯分(500ml)の水分が必要です。
 
変色がみられていて危険です。即座にコップ1杯分(250ml)の水分を取りましょう。もし屋外にいたり、汗をかいていたらコップ2杯分(500ml)の水分が必要です。
 
即座にコップ4杯分(1000ml)の水分が必要です。この色よりも濃い色、あるいは赤/茶色が混じっていたら病院へ行きましょう。
 

【段階別の熱中症対策】

 

脱水症状が続くと、いつの間にか熱中症になってしまうこともあります。脱水症状の予防が熱中症の予防にも繋がると言われているくらい、注意が必要です。

 

こちらでは熱中症の重症度が低い順にご紹介していきます。「自分や周りの方の具合がおかしい…。」と思ったら各々の対策をしてあげましょう!※2

 

<重症度1>

  • 手足が痺れる
  • めまい、立ちくらみがある
  • 筋肉のこむら返りがある(痛い)
  • 気分が悪い、ボーッとする

 ☆水分、塩分、ビタミンB1補給を。良くならない場合は病院へ。

 

<重症度2>

  • 頭がガンガンする(頭痛)
  • 吐き気がする、吐く
  • 身体がだるい(倦怠感)
  • 意識がなんとなくおかしい

 ☆重症度1の処置に加えて、身体を積極的に冷やしましょう。

 

<重症度3>

  • 意識がない
  • 身体が引きつる(痙攣)
  • 呼びかけに対して返事がおかしい
  • 真っ直ぐ歩けない、走れない
  • 身体が熱い

 ☆救急車で搬送を!

 

【まとめ】

脱水症状を入り口に、熱中症や脳梗塞、心筋梗塞、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)につながる事例があります。喉が渇いてから水分補給をするのでは遅いので、何も症状がない時からこまめに水分補給をすること(塩分、糖分、ビタミンB群も忘れずに)と、栄養バランスの摂れた食事、十分な睡眠を日頃から心掛けてくださいね。

 

もしも脱水症状や熱中症になってしまった、周りに気分の優れない方がいる、などあれば、すぎに対応できる対策と必要に応じて病院へ行くことをおすすめ致します。これからの熱い季節、脱水への意識も忘れずに、健康に生活して楽しみましょう!

 

【参考文献】

※1 厚生労働省|「健康のため水を飲もう」推進運動|https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html#03

※2 環境省|環境保健マニュアル2014|https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf

※3 厚生労働省|e-ヘルスネット|水溶性ビタミン|https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf

※4 文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

※5  厚生労働省|あんぜんプロジェクト|https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzenproject/concour/2015/sakuhin5/n006.html

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この記事を書いた人

合田 麻梨恵

大学在学中に10ヵ国程
世界各国の料理を食べ歩く中、
「和食の魅力」に目覚める。

大学卒業後、
大手コンビニエンスストアの商品開発を担当し、
広告代理店の営業を経て、独立。

”和食で心も身体も健康に美しくする”プロ、
和食ライフスタイリスト講師の養成、
和Health料理教室運営、健康経営コンサルティング
ほか書籍執筆、メディア出演などを通して
”和食のある暮らし”を提案しています。

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