8月の終わり、まだ夏休みらしいことしていない!という焦りとともに「なにか夏休みっぽいもの」を探して、プラネタリウムに行ってきました。
プラネタリウムと天体観測ドームのある児童館
埼玉県狭山市、稲荷山の上に「狭山中央児童館」があります。
児童館の壁、昭和レトロの雰囲気を漂わせています。
プラネタリウムに行くのに児童館? とお思いかもしれません。
ここは、プラネタリウムと天体観測ドームが併設しているとても珍しい児童館なのです。この写真の銀色で半円形のところがプラネタリウムです。
こちらの緑の柵で囲われた塔の上が天体観測ドームです。
早速中に入ってみると、手作りの看板やお星様が、「児童館」であることを強くアピールしています。入り口で靴を脱いで入ります。スリッパはありませんので、靴下を忘れずに。
プラネタリウムのある2階ロビーにはこんなオブジェも。
プラネタリウムは小学生以上ひとり100円で観覧できます。この日はプラネタリウム上映の前に天体観測ドームの見学ができました。長いらせん階段を上っていきます。
太陽の黒点観察や天体観測のできる観測ドーム
天体観測ドームは4畳くらいの円形の床と、半円形のドームの天井でできていました。
(株)五藤光学研究所製の15cm屈折赤道儀というものだそうです。この天体観測台全体が、太陽が見えるようにゆっくりと動いています。さらに、見たい星に合わせて、天井のスリットと望遠鏡を自由に動かすことができます。
この日は、太陽の黒点を白い紙に写し取って観察しました。
第2、第4土曜日の夜、または特別な天文現象の起こるときに、この天文台は一般開放されて、誰でも星を観察することができます。
また、小学4年生から高校3年生までが対象の「天文クラブ」の活動を行っており、月に一度望遠鏡で星を観察しています。また年に一度の合宿では大自然の中に宿泊し星を楽しんでいます。
埼玉県で一番古い手動で動かし解説する温かみのあるプラネタリウム
天体望遠鏡の見学が終わったら、いよいよプラネタリウムです。
埼玉県内で最も古い現役プラネタリウムとして、昭和52年からの歴史があります。
星にまつわるアニメから始まり、今日の星模様、星座の神話について約1時間のプログラムでした。この日のアニメは『はらぺこあおむし』で有名なエリック・カールの短編が2本、美しい色彩とユーモアのあるお話は大人でも楽しめます。
ここのプラネタリウムは、職員さんの生解説でお話が進んでいく、懐かしさあふれる構成です。私が子どもの頃、ウン十年前に田舎で一度聞いたきりの、活弁士さながらのお星様の解説がいまも現役です。
子どもに語りかけながら、対話形式で進む星のお話、神話の語りは、大人に絵本を読み聞かせしてもらった子ども時代を思い出しました。太古の昔には、人々は星を前に、年長者から星の神話を口から口へと語り伝えてきたのでしょう。そんな温かみのあるプラネタリウム体験でした。
プラネタリウムは第2第4土曜日、毎週日曜日、祝日、それぞれ11時と15時に投映しています。さらに映画会や、大人向けの団体投映も受け付けています。
山の高台にあるプラネタリウムは、建物前の見晴らしも絶景です。
流星群の観察、太陽の動きや季節の星座についてなど、子ども向けワークショップも充実しています。
今はCGやテクノロジーが進んで、ダイナミックに、綺麗に魅せるプラネタリウムがたくさん登場し人の目を楽しませています。
そんな時だからこそ、昭和の香りを残しつつ、人の手で暖かく紡がれるプラネタリウムも、味わい深く心に残る体験になります。
小さなお子様がいらっしゃる方、子どもの夏休みの自由研究で悩んでいる方はもちろん、子どもの頃の夏休みを思い出したい方、望遠鏡を覗いてみたい方にもオススメです。地元の子ども達の科学への興味を下支えする、レトロで貴重な施設でした。
この記事を書いた人
宮本 真知
タロットカードに惹かれて占いの道へ。占いの道を進んでいたつもりが、気がついたらオカルトの獣道に足を踏み入れていました。不思議なこととオタクなことが大好きです。幼稚園児育児真っ最中。占いや魔法の世界に関する不思議なこと、オタクな趣味が楽しめる場所、子どもが喜ぶものを紹介していきたいです。