search

五感を使って暮らす家 フォトジェニックな「三鷹天命反転住宅」

2018/08/01
三鷹に、ずっと気になっていた不思議な建物がありました。その名も「三鷹天命反転住宅」。
 
名前まで不思議なこの建物、ファミリー見学会があったので、お部屋の中にお邪魔してきました!
 

たどり着いてびっくり! カラフルでポップな外装

 

 

 

とってもカラフルなこの建物。実際に人が暮らすアパートです。
 
外側だけではなく、内部も変わっていると聞いて、到着してすぐにドキドキワクワク。

 

 

 
 
入り口の木の扉には、ビー玉がはめ込まれていました。
 
当日は天気が良かったので、ビー玉がキラキラと輝いて、明るい雰囲気を演出していました。

 

 

 
 
徹底的にカラフルなアパート内部。全体が14色で塗られているそうです。
 
廊下もこのポップさ。中も外もこのきれいさです。鮮やかな色が常に目に飛び込んできます。
この日は3階のお部屋を見学しました。
 

驚きの連続!「死なないための住宅」の内部

 

 

 

 
これ、お部屋の中です。いわゆる廊下・床部分です。
 
小さなでこぼこは子供の土踏まず、大きな方は大人の土踏まずに合わせた大きさになっているそうです。
 
確かに、裸足になって歩いてみると、足にフィットします。
床はでこぼこになっているだけでなく、写真で分かるように、場所によってかなり強い傾斜が付いています。

 

 

この家は身体をテーマとして設計されたとのこと。
 
キャッチコピーは「死なないための住宅」。
こういったでこぼこや傾斜から、自分の体を感じることが大切なのだそうです。
 
実際にこの床を歩いてみると、普段過ごす平らな床では意識しなかった、バランスを取る感じ、足の裏の感覚を取り戻すような感覚がありました。
 

収納もアートに 持ち物を自由にぶら下げる

 

 

 
 
天井に目を向けてみると、やはりここにもたくさんの色が。
 
そして天井に無数のフックが取り付けてあります。
このフックに器具をぶら下げることにより、ハンモックやブランコ、日用雑貨を取り付けて収納します。

 

 

 
 
今回も、参加者のバッグを吊り下げ収納しました。
室内にははしごがありますが、これも吊り下げ収納に使用します。
 
床が低いので天井が非常に高く、天井にものを吊り下げるため、ここに登って器具を取り付けます。
ここにも身体を感じる工夫がありました。

実際に全員分のバッグを吊り下げてみると、空気のように溶け込んでいるもの、部屋と溶け込んでバッグも合わせてアートとなっているものなど様々です。
 
吊り下げられたバッグをよけながら歩き、座り、過ごすことで、常に体を使うことを意識します。

 

床だけでなく部屋もすごい! 玉砂利? 床が丸い?!

 

 

 
 
お部屋とバッグがマッチしています。和室には円形の畳と玉砂利があります。
家の中に玉砂利があるのははじめての体験です。
 
今回見学した部屋は、キッチンを中心として周りに4つの部屋がくっついている形です。
和室だけでなく、他のお部屋もユニークです。

 

 

 
 
球体の部屋。部屋自体が大きな球になっています。
ここは子供たち一番人気の部屋で、常に子供たちの笑い声が聞こえてきました。
 
大人でもうっかりすると転んでしまうような急勾配のお部屋です。
まず、まん丸の部屋というのは、ここ以外でほとんど見ることは出来ないでしょう。

 

 

 
 

こちらはバスルーム。まず中心にシャワー室があります。


シャワー室の両脇には通路があり、そこをぐるっと回り込むと……。

 

 

 
 

奥にトイレがありました。こんな配置はじめてです。

 

 

 
 
洗面台も徹底的にカラフルを忘れません。

洗面台下収納のノブも、左右の大きさが違っています。
きっとこれもあえてこうなっているはずです。

 

 

 
 

四角くて平らな、比較的普通の部屋。ここのドアはふすまです。
四角くて平らだと言うことが、もはや異質に感じられます。

 

補色を巧みに使った色のオンパレード

 

 

 
 
部屋の中心にあるキッチン。
キッチンカウンターには、床の高さの変化を利用して、廊下側から掘りごたつ式に座れるスペースもあります。
 
キッチンに立ってみると、各部屋の鮮やかさが一気に飛び込んできます。
 
家の主が全ての部屋を見渡せる場所としても作られているそうです。
 

少し色に詳しい方は、ここまでの写真を見て気がついたことがあると思います。
赤と緑、黄色と紫、オレンジと青という、一番性質の遠い色同士である「補色」を大胆に使用しています。
 
普通、補色を見ると、目がチカチカしてくるのですが、この部屋にいる間はピカピカしたり、色の残像が残ったりという、不快感はありませんでした。
 
この配色も、このお部屋の特別なところです。
ここにいるだけで、視覚という自分の身体を意識する体験になります。

 

 

 

丸い部屋の外側はこうなっています。丸い部屋は丸い外装、四角い部屋は四角い外装です。

 

使用法のある家 体の可能性を引き出す住宅

 
 
 
 
部屋は各階ごとに90度回転した作りになっているそうで、丸の部屋の上に視覚の部屋があり、形だけ見るとおでんのような不思議な形になっています。
 
このアパートは荒川修作氏とマドリン・ギンズ女史の作品です。
このご夫婦は住まいを「身体の延長にある器」と定義し、体を使って身体の持つ可能性を発見する住宅としてここを設計しました。
 
興味深いのは、この住宅には「使用法」があるということ。
 
見学会のときにいただいたパンフレットに、その全文が記されています。
この住宅に住むことで「建築する身体」になること、その方法についてたくさんのアドバイスが書かれています。
 
気になる方はぜひ見学会に行ってみてください。
 
 
今回は子供を連れて「ファミリー見学会」へ参加しました。
 
こういった身体をテーマとした建物内に入って実感したのは、子供の方が体の使い方が上手なのではないか?ということでした。
 
子供は球体の部屋で登り、滑り、転がって自由に遊んでいました。
大人の私は、危なっかしい球形の床に怖さを覚えながら子供を追いかけていました。
 
この部屋に入れば、難しいことは分からなくても、自分の体について自覚的になる体験が出来ます。
 
非常にフォトジェニックで不思議なこの空間。
ぜひ訪れてみてください。

 

 

公式HPはこちらから→ 三鷹天命反転住宅

Original

この記事を書いた人

宮本 真知

タロットカードに惹かれて占いの道へ。占いの道を進んでいたつもりが、気がついたらオカルトの獣道に足を踏み入れていました。不思議なこととオタクなことが大好きです。幼稚園児育児真っ最中。占いや魔法の世界に関する不思議なこと、オタクな趣味が楽しめる場所、子どもが喜ぶものを紹介していきたいです。