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日本刀づくりのまち・岐阜県関市に行ってみた

2018/06/07


日本刀は、日本の工業の基礎になった製品です。
鉄を打って強度を上げ、あらゆるものを両断できる刀に仕上げる。ヨーロッパで反射炉による製鉄技術が確立されるまで、日本は世界トップレベルの工業テクノロジーを有していました。
日本刀は今でも生産されています。岐阜県関市は、刃物のまちとして世界的に有名です。


 

刃物関連企業が集結

関市は非常に珍しい、V字型の市町村です。
これは平成の大合併による結果ですが、刃物づくりで有名な地域はV字の東側。ここにはたくさんの関連企業が集中しています。
日本刀の素材は、砂鉄から作る鋼です。これを幾人にも及ぶ職人が段階的に鍛え上げていき、1本の刀として仕上げます。鋼を打つ人、鍔を作る人、柄を巻く人、鞘を作る人。日本刀づくりとは、分業制の世界です。
 




現代の関市にも、それが当てはまります。金属形成、ヒーティング、研磨等の工程を請け負うそれぞれの企業が所在しているというわけです。


 

クラウドファンディングに出展の企業も


 

上の写真は、関のシンボル関善光寺からの眺め。
世界的に有名な「刃物のまち」といえば、ドイツのゾーリンゲンがあります。このゾーリンゲン発のナイフ企業であるツヴィリングJ.A.ヘンケルス社の生産施設が、関市に存在するのはご存知でしょうか?
しかし、最近では国内の刃物需要が減っているとのこと。世界のナイフコレクターは関の製品を求めていますが、一方で一般層からの需要は伸びているわけではないようです。
そこで、新製品を開発してクラウドファンディングに出展する企業が出てくるようになりました。たとえば金属形成の会社がマルチツールを開発したり、アメリカのクラウドファンディングに商品を出展するメーカーも現れました。



刃物まつりには全国から観光客が


 

関市にとっての最大の行事は、毎年10月に行われる『関刃物まつり』。このイベントには、関の人口と同じだけの観光客が押し寄せるそうです。
市内の企業が路上にブースを出し、市場価格よりも安い値段で製品を提供します。良質の刃物が安価で購入できるとあって、日本全国からお客さんがやって来ます。また、日本刀づくりの実演もこのイベントの目玉です。


 

人類と刃物


 

関市は、ふるさと納税の返礼品に日本刀を用意していることでも知られています。
人類にとって、刃物はものを作るために必要な基礎的道具。今も昔も、刃物がなければ人類の暮らしはありません。良質で堅牢なナイフは、我々の生活のすべてを支えていると言っても過言ではありません。
そして、日本の工業技術の原点は武士が腰に帯びていた日本刀とも言えるのではないでしょうか。
 

 

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この記事を書いた人

澤田 真一

フリーライター、グラップラー。澤田オフィス代表。176センチ83キロ。
東南アジア経済情報、テクノロジー関連記事などを各メディアで執筆する。
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